データが主食

データエンジニアの備忘録。分析だったり、読んだ本のメモだったり。

ハンス・ロスリング「ファクトフルネス」を読んだ

ファクトフルネス、話題になっていますね。データを生業としている人間としては一応読んでおいた方が良い感じがしました。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

  • 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: 単行本
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概要

ファクトフルネスでは、人間が本能的に陥りがちな思考法や記憶の誤りの原因を説明してくれます。 大半は人間の認知的な問題にあり、データやファクトを見つめ直そうという事を提唱しています。

著者ハンス・ロスリングは、以下の人間の本能が上記の過ちの原因だとしています。

  • 分断本能
  • ネガティブ本能
  • 直線本能
  • 恐怖本能
  • 過大視本能
  • パターン化本能
  • 宿命本能
  • 単純化本能
  • 犯人探し本能
  • 焦り本能

各本能について、著者の経験談を踏まえてなぜ失敗原因となるのか説明されています。

面白かったところ紹介

そのなかで、宿命本能に関する記述で面白かった部分を紹介します。宿命本能とは「宿命本能とは、持って生まれた宿命によって、人や国や宗教や文化の行方は決まるという思い込みだ。物事がいまのままであり続けるのには、どうにもならない理由があるからで、昔からそうだし、これからも永遠にそのままだ、と。」。

しかし、宿命本能が思考の悪さをするという主張をしつつも、筆者も宿命本能にしたがった思考をして登壇した結果、失敗をしてしまいます。

わたしは長年、アフリカの学者や研究所と一緒に研究を進め、やっとアフリカ連合での講演の機会を得た。この憧れの舞台で、間違いなく最高のビジョンを語ったつもりになっていた。ヨーロッパ人の中でわたしほどアフリカの可能性が見えている人間はいないと悦に入っていたのだ。夢にまで見た晴れ舞台でここいちばんの講演をしたつもりが、自分が相も変わらず上から目線の考え方にとらわれていたことに気づかされた。これまでアフリカの友人や仲間たちからたくさんのことを教わってきたはずなのに、「あの人たち」が「わたしたち」に追いつける日がくるとは、まだ心から思えていなかったのだ。すべての人が、家族が、子供たちが、海に遊びに行けるような未来が、わたしには見えていなかった。

ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド. FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 (Japanese Edition) (Kindle Locations 2818-2824). Kindle Edition.

所感

  • 筆者の体験談が元になっていて、現場がイメージしやすく問題意識が伝わってきた。
  • 問題意識は良いが、問題に体系的に取り組むのであれば、認知科学的知見が必要だとおもった。まともに勉強したいなら、ファスト&スローなどの方がおおすすめ。
  • ファスト&スローよりも読み易く、大衆がこういう内容に興味を持ったという意味で社会貢献した本だと思う。